『純情きらり』ロケ参加顛末記:21
撮影を終えて、役者モードがOFFになり、少し気が抜けてるとき突然
「エキストラの方、おみえになりますか?」
とお呼びがかかりました。
お察しの付いた方もおみえになるでしょうが
この時、自分が
ド素人である事を思い知らされる事になりました。
チョット考えれば分かる事なのですが
セリフのあるシーンで、
“友和”さんや
“あおい”ちゃんの姿が
50mも離れた場所からの撮影だけで、終わるはずありません。
当然2人のアップを撮るシーンがあります。
歩いて来る場面を正面から『竹千代橋にカメラを向けて』撮るパターンと
振り返った
“あおい”ちゃんを
“友和”さんの側からって感じの
『竹千代橋を背にして』撮るパターンの2種類の撮影が
私が気を抜いた後に・・・待っていたのです。
「じゃあ、もう1度さっきのシーンを撮りますんで・・・」
「え?」 ヽ(。_゚)ノ ヘッ?
さっきのシーンを違うアングルで取り直すって言われても
「さっき って・・・何してたっけ?」
って事です。
こ~ゆ~ところが
ド素人 なんですよ・・・ねぇ。
でも・・・・・。気を取り直してよ~く考えてみれば、その為に自分を
『親父が死んで、店の財産が自由に使える呉服屋の?代目』
って役柄で、さらに
(風俗系の)お店へ遊びに行こうと
自分のお店(職場・呉服屋)を抜け出しちゃった・・・
って設定まで、自分勝手に自分に与えた様なモノですから・・・。
自分の立ち位置に立ってそれを思い浮かべたら、だいたい分かりました。
もう頭の中は、
“お志乃”ちゃん(風俗店の№1)の事ばっかりで
お店に1番客で駆けつけてやって
「ど~やって口説こうかな?」
とか考えていますから
チョット早歩きで髪型や襟の具合を確かめながら・・・
って感じだったんです。
私の斜め右前に
(ソフトフォーカスがかかって、ハッキリ見えませんでしたが)
“友和”さんが立っています。
もう既に役に入りきってる雰囲気が充分伝わって来ます。
そのオーラ?に刺激を受けて、私ももう1度気合いを入れて
「口説くのに成功して“待合い”なんぞに連れ出せたら
あんな事やこんな事をやってやろう」
って事まで考えたら、厳しい顔つきではなく
『とってもスケベそうなオッサンの顔』
になってました。 (ゝω・) テヘペロ
まぁ、背後からの撮影ですが、きっとその背中に
『スケベ親父』のオーラが充分出てた事と思います。
そしてそのシーンがアッサリ終わると
“あおい”ちゃんのアップ
(そっちは出番無し、遠くから見てただけ)の撮影が終り
その後お2人の顔のアップ
(セリフの所でしょう)の撮りが終わると
本当に撮影終了です。
その間、女性のエキストラの方が
「記念に・・・」と
持ち込み禁止のはずのカメラで写真を撮ってくれたりして
とうとう終わっちゃうんだ・・・と感慨にふけると同時に
自分たちの荷物がどこにあるのかを、遠くから探していました。
そして、
“友和”さん と
“あおい”ちゃんが、車に引っ込んでしまった事が
撮影が終った事を私たちに告げた・・・と思って気を抜いてたら
撮影現場では『この日1番の収穫』が始まろうとしていました。
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