ブーログ › 岡崎・康生 「ジュエル足立」 › 

『八丁味噌』って、誰のモノなんだろう?

2006年03月18日

[その①]

 -はじめのお断り-
私は岡崎市民であり『八丁味噌蔵』と同じ学区で生まれ育っていますので
公平な立場ではない【勝手な持論】を元に、このブログ記事を書いたモノを
時系列で読める様、別枠でまとめたカテゴリです。




我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。

実は、この『八丁味噌』は、世界に通ずる【ブランド】でありますから
個人的には、岡崎市民の誇り・・・だと思っています。

その「誇り」が奪われようとしています。
大義名分となっているのは『地理的表示(GI)保護制度』
日本国・農林水産省の推し進める企画です。


この問題には「二つの側面」があります。
初めに、日本国・農林水産省の立場からのお話をします。




・「類似品にご注意ください!」

いつの世も、ヒット商品が生まれると【ニセモノ】が現れます。



まぁ、こんな感じで「笑える」モノは可愛いのですが
まるっきりのコピー商品が出回ったりする事もしばしば・・・
(実は、ウチの業界の【得意技】だったりもするんで、責めれないんですが・・・)

日本国内で起こってる内は、日本の法律で対処できますが
グローバル化の時代、日本が商品を「輸出する側」に回るようになると
海外で「コピー商品が出る」ことを防がなくっちゃなりません。

もっと言うと、「iPhone」という名前を先に『国内商標登録』されて
本家が、その国で「iPhone」と名乗って販売できない・・・など
『商標登録』を守ることも、していかなくっちゃイケマセン。


海外の問題を、個人や一企業がやっていくのは大変で
成果も思うように出ないので、やはり国に頼らざるを得ません。

人間性の優れた民族(お人好し・・・とも言う?)である日本国の政府は
多少「出遅れた」部分はあるにしろ、非常に優秀で頼りになっています。

さらに『地理的表示(GI)保護制度』まで持ち出し、万全を期した体制で
ヨーロッパにおける『八丁味噌』ブランドを守ろうとしていました。


  -つづく -  


2006年03月17日

[その②]

 -はじめのお断り-
私は岡崎市民であり『八丁味噌蔵』と同じ学区で生まれ育っていますので
公平な立場ではない【勝手な持論】を元に、このブログ記事を書いています。




我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
(岡崎城からは、西へ八町の距離にあります。)
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。

実は、この『八丁味噌』は、世界に通ずる【ブランド】でありますから
個人的には、岡崎市民の誇り・・・だと思っています。

その「誇り」が奪われようとしています。
大義名分となっているのは『地理的表示(GI)保護制度』
日本国・農林水産省の推し進める企画です。


このカテゴリの[その①]
「国の内外で、自社のオリジナル商品を
見た目などのコピー』や『名称の乗っ取り
 をさせない為、国が規制をかけて戦っている」

ことを書きました。

その最も有効な手段は、【ブランド登録】と言われています。

そのブランドの個性を「定義付け」し
その定義にそぐわないモノには、そのブランドと認めない。
ただ単に「認めない」では効力が無いので
『ブランドマーク』を登録したり、『団体』を作り類似品を排除する。

モチロン、ブランドの利益を守ることが目的ですから
その個性を「定義付け」の中には、色々なハードルがあり
その中のひとつが、『地理的表示(GI)保護制度』です。

例えば、『シャンパン』という名称は本来
「フランスのシャンパーニュ地方特産のスパークリングワイン」
という内容を「定義に盛り込む」ことで
他の国で、勝手に類似品を作らせない・・・

これを、国が主導でやっていくことで、大きな効果をもたらす。


これが、『日本国・農林水産省』のスタンスであり
非常に素晴らしい戦略だと思っています。

特に『八丁味噌』は
「岡崎城から西へ八町(丁)離れた場所で作られた・・・」
という、明確な地理的条件が、昔からありますから
非常に「定義」でくくりやすい・・・モノでした。


ところが、そこの定義が、曲解されたのをきっかけに
今回の問題が起こってしまいました・・・。




  -つづく -


  


2006年03月16日

[その③]

我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。

先週のブログ記事で
『地理的表示(GI)保護制度』の基本的スタンスをお話ししました。
それ自体、間違った戦略ではありません。


では、何が問題なのか?




・「ブランド品としての定義。」

『農林水産省』HP内「地理的表示保護制度(GI)・登録産品一覧」の
49.八丁味噌】を見ると、詳しく書いてあります。

【生産の方法】には、ザックリ書くと
「豆味噌であり、その原料は大豆及び塩である。」
から始まり
「原料処理・製麹方法」「仕込・熟成」などが書いてあります。

正直、シロウトの私には、よく分かりません。
これが『八丁味噌の作り方』なのか『赤味噌の作り方』なのか?
まぁ、自分で作れる訳ではありませんからね。


それとは別に、【Wikipedia】を見ると、分かり易くかいてあります。
「米麹や麦麹を用いず、原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌。
 木製の大桶に空気を抜きながら味噌を敷き詰め、その上から石積みして
 長期間(1年半から2年以上。「二夏二冬」)天然醸造される。
 腐敗を防ぐために塩分濃度を高めているため、独特の渋みとうまみが特徴。
 豆味噌(赤だし)は塩辛いイメージがあるが、八丁味噌は塩分が少ない。


こちらの方が、『八丁味噌』と『赤味噌』は違うんだ・・・
と分かる気がしますし、どちらが良い・・・って事ではありません。


正直、“足立”家の赤だしのお味噌汁は、『八丁味噌』ではありません。
『八丁味噌』は高級品ですし、他社の『赤だし味噌』も安くて美味しいです。



庶民が「毎日の食卓には、安くて美味しい『赤だし味噌』を選ぶ」とか
逆にプロの料理人が「味の深さを追求したら、『八丁味噌』を選ぶ」など
これは、選択肢であって良いモノだと思っていますし

過去、何百年と、それで上手くいってたと思っていたのですが・・・


問題は、10年以上さかのぼった辺りから、始まっていたようです。


  -つづく -


  


2006年03月15日

[その④]

我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。



このカテゴリの[その③]の〆で
「問題は、10年以上さかのぼった辺りから、始まっていたようです」
と書きましたが・・・これです。


「Wikipedia」より抜粋。
2006年4月1日、地域団体商標制度がスタートしたのに伴い
岡崎市内の2社(カクキュー、まるや八丁味噌)からなる『八丁味噌協同組合』が
同じ月に『八丁味噌』を商標出願した。
しかし、愛知県全体の業界団体である『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』は
「2社のみが名称の独占使用するのはおかしい」と主張し
その後二者(両組合)による協議が行われたが、それも物別れに終わったため
後者は『愛知八丁味噌』の名称を出願することとなった。
ただし2016年現在も、双方共に商標認定されていない。



え?ど~ゆ~こと?
「2社が名称を独占しちゃダメ」・・・って主張が通るのであれば
ウチの業界だって
「同じダイヤとプラチナで作ってんだから
『ティ〇ァニー』って名称を使ってもイイじゃん!
 そもそも、1社が『名称の独占』をしちゃダメだし」

って、言いますよ。

いや・・・ダメでしょ? そんなの誰も納得しませんよね?

でも『八丁味噌』の名称に関しては、「独占できない」そうです。


そして、平成29年12月15日『地理的表示(GI)保護制度』というルールの中で
『八丁味噌』という名称は、『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』のモノとなり
本家本元の『まるや』『カクキュー』の2社の『八丁味噌製品』が
ヨーロッパにおいて『八丁味噌』という名前を使えなくなりました。
ひとつの事例が出来てしまいましたから、今後はこれが基準となり
世界中で『八丁味噌』という名称が、本家本元の2社を排除した
『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』のモノとなることが予想されます。


それに対して『農林水産省』は
「不幸な結果となったが、海外の偽物から守るため登録を優先した。
 老舗2社が追加で参加する枠組みを用意しており
 発祥は岡崎だから、2社も入ってほしいと思っている。」

と、コメントしています。


これだけ聞くと、『まるや』『カクキュー』の2社に対し
「その組合に入れば、堂々と『八丁味噌』の名前を使えるじゃん。
 名前の独占を緩和して、意地を張らずに、仲よくすれば?」

というご意見が出るかもしれません。

でも問題は、そこじゃありません。
『まるや』『カクキュー』の本家2社が守りたいのは
【名称を独占して得られる利益や既得権】では無いのです。


そこら辺りのお話しは・・・また、来週にでも・・・(ゝω・) テヘペロ


  


2006年03月14日

[その⑤]

我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。



今回、「素人が勝手に」この問題について語りました。
(しかも、宝石屋のブログなのに・・・)

平成29年12月15日『地理的表示(GI)保護制度』というルールの中で
『八丁味噌』という名称は、『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』のモノとなり
本家本元の『まるや』『カクキュー』の2社の『八丁味噌製品』が
ヨーロッパにおいて『八丁味噌』という名前を使えなくなりました。

『農林水産省』は
「不幸な結果となったが、海外の偽物から守るため登録を優先した。
 老舗2社が追加で参加する枠組みを用意しており
 発祥は岡崎だから、2社も入ってほしいと思っている。」

と、コメントしていますが、根本的に違うのです。

「こっちの組合に、入ればイイじゃん。」
って、言われても、そもそも
「そっちの組合で作ってるモノは
 『八丁味噌』ではない」

って考えていて、説明・交渉を10年以上続けているのに、この結論です。
「あっちの組合に入る」=「それを『八丁味噌』と認める」
という意味になりますから、入る訳がありません。



『まるや』『カクキュー』の本家2社が守りたいのは
【名称を独占して得られる利益や既得権】では無いのです。


そもそも、『ブランド』とは何でしょう?
個人的には、だいぶ以前にこのブログで書きました
ウチの業界の『ブランド』に対する考え方ですが
【プロが、100点のモノを作りたいと思う。
 それは当然「費用がかさむ」ので、高くなる】


それを『ブランド』というくくりをする事で
【多少お高くなりますが、この『ブランド』は
 これだけの『こだわり』を持って作っています】


これは、そのブランドが最も良い・・・という話ではなく
選択肢の話です。それを分かりやすくしてるのが『ブランド』です。


『八丁味噌』は・・・(Wikipedia より)
「米麹や麦麹を用いず、原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌。
 木製の大桶に空気を抜きながら味噌を敷き詰め、その上から石積みして
 長期間(1年半から2年以上。「二夏二冬」)天然醸造される。


これを、『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』は
企業であるから、「効率」の部分も考えないと・・・
別に、「木製の大桶」じゃなくても良いし
「1年醸造」で、安くした方が、お客の為・・・

と、おっしゃってるそうで・・・


それは、『愛知県産の豆味噌』であって
『八丁味噌』ではありません。
本家の2社が、認める訳がありません。

それを許したら、
『ブランド』名を信じたお客さまが
騙されて『類似品』を買わされてしまう

結果になることが、分かってるからです。


それに対し『農林水産省』は
「その違いが分かりにくいから、イイじゃん。
 元々『愛知で根付いた製法』って事でしょ?」

って論理で、『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』の言い分を通した・・・
って事らしいです。


『八丁味噌』って、誰のモノなんでしょう?
我々「庶民」のモノであることが、大前提なのではありませんか?
そこを大切に、長年やってきた『まるや』『カクキュー』の2社が
『損得勘定』の論理に、押し切られそうなのです。


   -つづく-

  


2006年03月13日

[最終回]

我が家から「西へ九町(丁)」離れた所に、2軒の『八丁味噌蔵』があります。
ってか、正規の『八丁味噌蔵』は世界中で、この2軒しかありません。



あくまでも、【個人的な価値観】ですが・・・

他県の方には分かり難いと思いますが
同じ愛知県でも、「尾張」と「三河」は別の国。
隣り合わせだから、似たところは当然ありますが
「文化」や「方言」まで、大きく違っています。

その流れで、いつも思ってることですが
岡崎固有の『八丁味噌』を看板にした料理を
『名古屋メシ』と称されるのに、忸怩たる思い を感じています。

ただ、大都会「名古屋」のネームバリューを踏み台に
『八丁味噌』がメジャーになったのであれば
作った飲食店』と『2軒の八丁味噌蔵』の 両方が勝者だ!
そう捉えれば良い・・・と思っていました。



ところが、この『地理的表示(GI)保護制度』
他県の役人が「愛知県…ってくくりでイイじゃん」とごちゃまぜにしました。

八丁味噌は、江戸時代初期・・・に誕生したと云われていますから
400年近くの歴史があります。
明治になってから出来た『愛知県』という総称でまとめてしまいました。

三河人にとっては、ここに【譲れない】問題があります。
また、100歩譲って
「岡崎じゃなきゃ、ダメな理由が分かり辛い」
と、言われると、知識が無いので反論できませんが

宝石店々主としては、先週書いた通り

『まるや』『カクキュー』の本家2社が守りたいのは
【名称を独占して得られる利益や既得権】では無く

『愛知県味噌溜醤油工業協同組合』が主張してる
企業であるから、「効率」の部分も考えないと・・・
別に、「木製の大桶」じゃなくても良いし
「1年醸造」で、安くした方が、お客の為・・・

これを許したら
『ブランド』名を信じたお客さまが
騙されて『類似品』を買わされてしまう

結果になることが、分かってるからです。


個人的には、『まるや』『カクキュー』の本家2社が作ったモノであれば
ヨーロッパ支店で、作った『八丁味噌』でも、ホンモノだと思っています。

逆に『岡崎城から西に八丁の場所』で作ったモノであっても
「プラスチックの桶」や「半年1年で熟成させた」モノは
ニセモノですからね。



この件に関しては、『まるや』『カクキュー』の本家2社が戦っていくのを
一般庶民の我々は、応援していく以外に何もありません。

個人的には、【不買運動】を思い浮かべるような提案もしたくありません。

ただ、ただ・・・、応援するのみです。



   - 終了 -